1型糖尿病医師のつぶやき

【人生の可能性は無限大】インスリンさえ打てば、何でもできる。時々医者目線の患者の歩みです。

【泣ける改名】糖尿病⇒「ダイアベティス」はあかんで!

偏見の多い糖尿病という病名に苦しんでいる人は多いのではないでしょうか?

https://moeglich.hatenablog.com/entry/2024/05/14/150339

 

かく言う私も、糖尿病とだけいうと「へ〜」という偏見たっぷりで自己責任っぽい音程が返ってくることもあります。(いっそ、質問してくれた方が補足しやすいので、ありがたいです。)

 

学校や職場においても、「自己責任で病気になった」と「やむを得ない原因で発病した」では、生活のしやすさに違いがある場合もあります。

 

たしかに、生活習慣病として有名な「糖尿病」というのは、結構患者を偏見で苦しめるので、対応することには大いに賛成です。

 

すると、「糖尿病」じゃない病名というのは、たしかにありがたいんですよね。しかし、「ダイアベティスはないわぁ〜😨😭😡」、というのが本音です。だって、ダイアベティス(diabetes)は多尿って意味なんですよ。

 

糖尿病が偏見多いから、多尿に病名変えられちゃったら、なんか3流漫才よりも笑えないです。涙出てきちゃいますよね…… (幸い、まだ正式改名されていません!今ならば、止められますよ💪😄👊)

 

しかも、糖尿病も尿崩症も両方医学用語では、ダイアベティス〇〇なんですよね。だから、言葉からは全く病態が違うふたつの病気の両方を指しちゃうんです。

 

① ダイアベティス・メリトゥス(Diabetes mellitus):糖尿病

元々、ラテン語で「多尿(diabetes)」が「甘い(mellitus)」という表現が、尿糖で多尿になる疾患(糖尿病)の病名として広まった経緯があります。

現在、diabetes mellitusの頭文字をとって、DMと糖尿病のことを呼ぶ日本の病院は多いです。

 

対して、

② ダイアベティス・インシピトゥス(Diabetes insipidus):尿崩症

DIはラテン語で「多尿(diabetes)」が「無味(insipidus)」という意味です。日本では尿崩症として知られる疾患の世界共通の名称が Diabetes insipidusです。

 

最初こそ、日常生活でダイアベティスという病名を伝えれば、「ダイアベティス、ふ~ん。」と糖尿病の偏見から脱却できたように感じても、ネット社会で「ダイアベティス=多尿」や「ダイアベティス=糖尿病」と点と点が繋がるのは一瞬です。一時の開放の後、大きなしっぺ返しが来そうなネーミングに感じてしまいます。こう感じるのは私だけでしょうか?

 

ちなみに、英語発音ではdiabetesをダイアベティスとは発音しません。英語ではダイアビーティーズと発音します。ドイツ語ではディアベーテスと発音します。すると、ダイアベティスは日本だけの造語となり、他のどこの国でも通じない発音となります。

 

海外の医学留学生や訪日医師に「ダイアベティス」と言ったら、「どっちの?」と聞かれるのは至極当然な流れです。その際に、ただただ壊れたオウム🦜のように「ダイアベティス」と連呼する白衣を来た中高年の管理職レベル医師を見て、訪日客が内心「??」と「英語通じないなぁ」という落胆が混ざる未来も容易に想像がつきます。(マズイって💦)

 

わざわざ、正式名称の前半分だけ取ると、不明確な表現であることに加えて、発音まで偽英語で誤解を招きやすいです。DI(尿崩症)もダイアベティスなのに、ダイアベティスをDMだけに用いた場合、どうするのでしょうね。正直、一つの偏見解消のために、別の差別や偏見、混乱を生み出す要因になってしまうようにも思います。

 

さらに、もう一点指摘させていただきます。

高齢の方にいきなり「ダイアベティス」と言っても、先ずは発音から説明し、結局なにか聞かれたら、「糖尿病」と説明することになるでしょう。「なら、最初からそう言ってください🤬」と逆鱗に触れるような改名では、意味をなしません。

 

いっそのこと、既に広く使われているDM(ディー・エム)を糖尿病の名称にするとかはどうでしょう?

 

DMだって、立派に「糖尿病」の偏見を脱却できる名前だとは思いませんか?(JKみたいで、ちょっとカッコイイ!?) なによりも、既に日本の医療現場で広く定着した国際的にも正確な用語なので、混乱を招きません。

 

あるいは、現代医学の「病態を正確に反映する病名」という流れに乗って、1型糖尿病を命名するのはどうでしょう?

・インスリン欠乏症

・自己免疫性膵炎

・インスリン枯渇症候群

など

このようなネーミングならば、偏見も解消され、広い世代に理解してもらえる病名となるのではないでしょうか。

 

幸いにも、正式な改名はされておらず、現在「ダイアベティス」がそもそも定着するのか実験中です。

 

この「ダイアベティス」という非常にガッカリする新名称が定着してしまう前に、学界にはもっと合理的で発音しやすい命名を求めます。(DMなんてどうでしょう?)

 

そして、このブログを読んでくださった読者さんには、ぜひ主治医や看護師にダイアベティスの語源(意味)ともっといい名前について話題にしてみてください。

 

より素敵な未来のための、ささやかな改善を地道に広められたら、本当に嬉しいです。

 

今日も安定した血糖値を〜😉

 

 

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