1型糖尿病医師のつぶやき

【人生の可能性は無限大】インスリンさえ打てば、何でもできる。時々医者目線の患者の歩みです。

1型糖尿病ってどんな病気?【進行順序編】

糖尿病の進行って、2型と1型で違うのでしょうか。

 

病気のメカニズムが違いますが、実際のところはどうなのかみてみましょう。 

 

そもそも、1型の病状が変わりうるなどという発想を疑った方、ぜひもう少し読み進めてください。きっと、表現の意図が伝わるかと思います。

 

ささ、1型糖尿病の進行順序をザクッと整理しますね。

 

1型糖尿病は自己免疫疾患であり、生活習慣病ではありません。詳しくは別の記事にまとめさせて頂きましたので、そちらをご参照ください。(ハイパーリンクの作り方を検索中です。)

 

進行順序:

 

第1フェーズ:β細胞が減少する

普段の食事よりも糖質摂取が多い時や負荷が高い時に十分膵臓がインスリンを出せなくなってくる。

食事の時はかろうじてまだ出ている。

食事以外の時に必要な基礎インスリンはまだ出ている。

 

第2フェーズ:さらにβ細胞が減少する

食事の時に、もうインスリンが追加で出せなくなってくる。

食事以外の時に必要な基礎インスリンはまだ出ている。

 

第3フェーズ:さらにβ細胞が減少する

食事の時にインスリンは分泌されない。

常に必要な基礎インスリンも減少してきて、常に血糖値が高く、細胞は軽度栄養失調の状態。

程度によってDKAという重篤な合併症を発症するリスクもある。

 

第4フェーズ:もうβ細胞が全て殺されてしまった状態

食事の時にインスリンは分泌されない。

常に必要な基礎インスリンも全然出ていない。

常に血糖値が高く、細胞は栄養失調の状態。

なので、DKA(糖尿病性ケトアシドーシス)という重篤な合併症を発症するリスクが高い。

 

DKA(糖尿病性ケトアシドーシス)については、別の記事に書こうと思います。

 

この経過を辿る速度によって、1型糖尿病は劇症発症、急性発症、緩徐進行型に分かれます。

 

多くの劇症や急性発症の1型糖尿病の方が第4フェーズに至り、DKAという危険な状態で1型糖尿病と診断されます。緩徐進行型の場合には、もう少し早期に多飲多尿や健康診断で見つかることもあります。(2型と誤診されてしまう方もいます。)

 

自己免疫疾患なので、元々痩せ型で甘いものを食べない人も多いです。

 

また、細胞がインスリン不足で飢餓状態になるため、どんどん痩せていくことも多いです。なので、発症周辺に体重がかなり落ちる人も多々います。

 

私は最近まで第二フェーズの初期くらいでしたが、先週あたりから第二フェーズの後期に突入したようです。食事の際にほぼインスリンの追加分泌が無い状態に移行してしまったのでしょうか。必要なインスリンが増加したようです。

 

次は、第三フェーズに突入していくかもしれません。(要フォロー)

 

自分で進行の可能性を察知したので、予想以上に早い時期から基礎インスリンの分泌が低下してくる可能性も考えました。なので、基礎インスリンの製剤である持効型インスリンを処方してもらいました。(消費期限は2年くらいです。)基礎インスリンが出なくなったら、昼間いくら頑張ってインスリンを連打し続けても、どうしても夜間の血糖値は高い状態になってしまいます。

 

周囲も自分も忙しい時期だからこそ、現状をきちんとアセスメントし、早期に進行を察知したいです。そして、なるべく早期に介入したいです。忙しい時は特に、緊急対応が必要な事態は避けたいですよね。

 

インスリンが足りないということは、逆にインスリンを投与さえできれば、上手く行くことも多いのではないでしょうか。

 

ま、今は全力で血糖コントロールやインスリン治療に慣れたいと思います。そうすれば、ある程度思考をバイパスしてルーチン作業としてインスリン投与ができるようになってくれるのでしょうか。

 

何事も、先手先手に対応する心構えは役に立つことも多いですよね。そして、何事も慣れは強い武器ですよね。

 

今日も安定した血糖値を!