【背景】
例えば、低血糖を自覚せず、糖尿病性腎症による末期腎疾患を有する複雑な1型糖尿病患者に対しては、膵腎複合移植(PKT)が選択される治療法である。 しかし、利用可能な移植片の不足とリスク因子の複雑な影響から、移植片の受け入れを決定する医師を支援するために、PKTと膵臓移植(PT)の転帰を個別に公平に予測する必要がある。
【方法】
2006年から2021年の間に3,060例のPKTおよびPTが実施されたヨーロッパの大規模コホートに基づき、カプランマイヤー生存曲線を用いて患者死亡までの時間、膵臓移植片喪失、腎臓移植片喪失の3つの主要な患者転帰を可視化した。 多変量Cox比例ハザードモデルは、26の危険因子に基づき、5年および10年後の転帰を予測するために開発された。
【結果】
死亡率の上昇に関連する危険因子としては、腎移植の既往、レスキューアロケーション、待機時間の延長、他臓器の同時移植が挙げられた。 膵臓の移植片喪失率の増加は、レシピエントの肥満度の高さおよびドナーの年齢と正の相関があり、腎臓と他の臓器の同時移植とは負の相関があった。 ドナーの年齢も腎移植片喪失の増加と関連していた。 多変量Coxモデルでは、C-indexの中央値は患者死亡率で63%、膵臓喪失率で62%、腎臓喪失率で55%であった。
【結論】本研究は、移植片提供時に利用可能なパラメータに基づき、PKT後5年および10年経過したPT患者の転帰をhttps://riskcalc.org/ptop、オンライン・リスク・ツールを提供し、重要な臓器受容の決定を支援するとともに、独立した集団における外部検証を奨励するものである。
Miller, G., Ankerst, D. P., Kattan, M. W., Hüser, N., Stocker, F., Vogelaar, S., van Bruchem, M., & Assfalg, V. (2024). Pancreas Transplantation Outcome Predictions-PTOP: A Risk Prediction Tool for Pancreas and Pancreas-Kidney Transplants Based on a European Cohort. Transplantation direct, 10(6), e1632. https://doi.org/10.1097/TXD.0000000000001632
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38757051/
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