1型糖尿病医師のつぶやき

【人生の可能性は無限大】インスリンさえ打てば、何でもできる。時々医者目線の患者の歩みです。

【文献・実臨床データ】1型糖尿病におけるGLP1受容体作動薬とSGLT2阻害剤

文献の和訳内容は以下に(リンクは記事の文末です)

 

【背景】

グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1RA)とNa-グルコース共輸送体-2阻害薬(SGLT2is)は、1型糖尿病(T1DM)の管理において、インスリンの補助療法として適応外使用されている。この治療法の有効性と安全性に関する実臨床データはほとんどない。

 

【目的】

本研究の目的は、実臨床におけるT1DM管理におけるGLP-1RAとナトリウム-グルコースSGLT2薬の有効性と安全性を明らかにすることである。

 

【方法】

単一の学術施設において、T1DMの成人患者において90日を超えてGLP-1RAおよび/またはSGLT2iが使用された全例についてレトロスペクティブなカルテレビューを行った。使用期間中の臨床結果と安全性を報告する。

 

【結果】

GLP-1RA(76例)またはSGLT2i(39例)を90日以上使用したことのあるT1DM患者104例を同定した。治療開始1年後、GLP-1RA使用群では、体重(90.5kg→85.4kg;P < 0.001)、糖化ヘモグロビンA1c(HbA1c)(7.7%→7.3%;P = 0.007)、インスリンの1日総投与量(61.8単位→41.9単位;P < 0.001)が統計学的に有意に減少した。SGLT2i投与群では、HbA1c(7.9%→7.3%;P < 0.001)と基礎インスリン量(31.3単位→25.6単位;P = 0.003)が統計学的に有意に減少した。GLP-1RA投与群ではSGLT2i投与群と比較して体重減少が大きかったが(P = 0.027)、HbA1cの減少は両群間で同等であった。両群の平均総使用期間29.5ヵ月/患者において、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)はSGLT2i使用群でより多く経験された(12.8% vs 3.9%)。有害事象による治療中止はGLP-1RA群で26.9%、SGLT2i群で27.7%であった。

 

【結論】

T1DMにおけるGLP-1RAおよびSGLT2iの使用は臨床的に適切なベネフィットと関連する。DKAはSGLT2iの使用における臨床的な懸念事項であり、慎重な患者選択とモニタリングが必要であり、治療のリスクとベネフィットの比を個人レベルで評価する必要がある。

 

Edwards K, Li X, Lingvay I. Clinical and Safety Outcomes With GLP-1 Receptor Agonists and SGLT2 Inhibitors in Type 1 Diabetes: A Real-World Study. J Clin Endocrinol Metab. 2023 Mar 10;108(4):920-930. doi: 10.1210/clinem/dgac618. PMID: 36268825.

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36268825/

 

〈本記事の開示事項〉

英→日の翻訳にはAIも使用しています。

 

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