1型糖尿病医師のつぶやき

【人生の可能性は無限大】インスリンさえ打てば、何でもできる。時々医者目線の患者の歩みです。

【インスリン】下痢の時の調整

嘔吐がない消化や吸収力が不十分の時には、きっと平時よりも糖分の吸収も低いだろうと思います。

 

私は食事内容によって、結構消化器症状が出やすいので、非感染性の下痢はかなり好発してしまいます。なので、適宜吸収が減っているにも関わらず、平時の吸収量と同じカーボカウントで打ち、打ち過ぎて低血糖になってしまわないように気を使います。

 

この時、主に考えるのは消化吸収減少程度と、それに見合ったインスリン減薬幅です。しかし、これだと減薬しすぎてしまう可能性があるので、シックデイ対応も念頭にこの調整幅を補正します。

 

消化器症状の背景によっては、体がアドレナリンなどの様々なストレスホルモン(不調時に分泌されて、色々代償しようと体が頑張るためのホルモン)を分泌します。各種ストレスホルモンは血糖値を上昇させます。

 

なので、消化器症状に気がついた時点での消化器症状の程度や傾向と食事量によって、先ずはインスリン投薬量を減らす量を考えます。この減薬幅は、やっぱり状況と経験、同日のそれまでのインスリンへの反応(血糖値)によって変動するものです。一律不同な公式があるわけではありません。とはいえ、大まかには、摂食量のどれくらいが実際に吸収されていそうかを考えて、食べた量ではなくて、吸収量でカーボカウントを考えます。

 

打つ量が足りなければ、適宜投薬量を増量するだけです。なので、そこまで大きく変化させばければ、そこまで気にすることもないだろうと、この辺の減薬幅は、私は結構思い切りやります。(これは、あくまで私自身が自分に投薬するインスリン量を調整する時の心意気です。他の方では違うかと思います。)

 

この時、シックデイの増量を念頭に、純水な消化器症状での減少分を計算(考え)た後に、シックデイの反映度を考えます。例えば、下痢のない風邪ならば1単位増量が元々の計画だったとしたら、それを1単位で維持する考えます、0.5単位にするか、あるいはシックデイのような増量は不要だと考えるかです。これは、ただ普段から軟便になる食材が混入していたことを疑うか、

 

こうして、体が消化吸収不足で体に取り込めない糖質量の分(予想)を減薬しつつ、体がその消化器症状と格闘するために出すストレスホルモンによる血糖値上昇分を考慮して、投薬量を補正する。

 

これは、嘔吐がない下痢や消化吸収不良の時に限った私個人のインスリン量調整の思考過程です。

 

今日も安定した血糖値を!